前回の記事にて各種エフェクトについて簡単に解説させていただきました。
今回は初心者にオススメのマルチエフェクターについての紹介記事です。
もし何を買おうか迷っている方がいらっしゃれば、参考までにどうぞ。
(2019.12.07 重量などについての記載が間違っていましたので一部加筆修正いたしました。申し訳ございません。)
最近自分もよく使っているのでオススメしやすいという意味もあるのですが、
今年ZOOMから発売されたマルチエフェクター
ZOOM A1 FOUR,ZOOM A1 X FOUR
の使い勝手がよく、これからエフェクターを触り始めたい方にも満足のいく物になっていると感じています。

(画像はA1 X FOUR。右のペダルがないのがA1 FOUR。)
★ZOOM A1 FOUR,ZOOM A1 X FOURとは
アコースティックギターをはじめ、サックス、トランペット、バイオリン、ハーモニカ、ウッドベースなどのアコースティック楽器全般に幅広く対応。クリップマイクを接続できるマイクアダプターが付属し、アコースティック楽器の可能性と音作りの楽しみを思いのままに追求できます。
(公式ウェブサイトより転載。)
今までのエフェクターはギターやベース用に調整されたものがほとんどでしたが、
こちらは様々なアコースティック楽器で使用できるよう想定されています。
購入時にはすでに各楽器に対応したプリセット(すでに音作りされたエフェクト群)が多数入っており、音作りの仕方がわからない状態からでも気軽に遊んだり、参考にすることができます。
説明文にあるようにマイクアダプターが付属しますので、ギターケーブルでなくマイクケーブルでも接続できます。
生楽器の音をマイクで拾い、それにエフェクトをかけることが可能です。
これによって幅広い楽器でこのマルチエフェクターを使用できます。
★初心者にもおすすめな理由
僕の使用感になりますが、先にざっと羅列しますと
①エフェクトの種類が豊富
②軽くて携帯しやすい
③簡易ルーパーも搭載している
④内容に対して安い、コスパが良い
⑤今後もアップデートされていく可能性が大いにある
です。
1項目ずつ解説していきます。
①エフェクトの種類が豊富
前回の記事で解説したような各種系統エフェクトがひととおり搭載されています。
また、5つのエフェクトを同時に使用することができます。
1つずつエフェクトを試してみて、「あー、これを使うとこんな音になるんだな」という感覚を確認しながら
複数のエフェクトを組み合わせて「これとこれを同時に使うとこうなるんだ!」と実験しながら音作りをしていくことができます。
これがマルチエフェクターの強みとも言えますね。
コンパクトエフェクターではそれぞれのエフェクターを買い足していかなくてはなりません。
エフェクトの組み合わせも自由自在です。
極端な使い方だとリバーブを5つ並べたりすることもできてしまいます。
※ただし処理の複雑なエフェクトにおいては同時に使用できないこともあります。
特にディレイ系は注意が必要です。
本機種はアコースティック楽器用に作られているため現在ディストーション系エフェクトは少なめです。
(後述しますがのちに追加されていく可能性もあります)
現在どんなエフェクトが搭載されているかは公式ウェブサイトで確認できます。
②軽くて携帯しやすい
けっこう頻繁に使いたいという方には持ち運びやすいかどうかが非常に重要になってくると思います。
A1 FOUR 340 g(電池を除く)
A1X FOUR 610 g(電池を除く)
ペダルの有無の違いで270gの違いがあります。
A1X FOURを使用していますが持ち運び時に重たさはさほど感じません。
僕はほかの機材と組み合わせるため小型のエフェクターバッグに入れています。

また、電池駆動も可能でコンセントから電源が取れないような場所でも単三電池4本で動きます。野外でも使用できますね。これも便利。
③簡易ルーパーも搭載している
自分の演奏を録音、瞬時にループ再生できる簡易ルーパーも搭載されています。
最長30秒なのでけっこう遊べます。オーバーダブ(録音にさらに新しい音を録音する)も可能です。
簡易のためアンドゥ/リドゥ機能(一つ直前の録音を取り消す/戻す)はありません。
様々なジャンルに対応したリズムマシンもあります。
ルーパーに触れてみるきっかけとしては充分ですね。
ただ、この機種のルーパーにはもっと便利な使い方があります。
それはルーパーのプリ(前)配置機能です。
通常このようなマルチエフェクターに搭載されるルーパーは
内部で設定したエフェクターのポスト(後)に設定されています。
この順
楽器(演奏)⇒エフェクター(加工)⇒ルーパー(録音・ループ再生)
つまり演奏した音にエフェクターの音がかかった状態で録音・ループされるのですが
ルーパーをプリ(前)にすると
楽器(演奏)⇒ルーパー(録音・ループ再生)⇒エフェクター(加工)
に変わります。
つまり録音・ループ再生している音をエフェクターで加工できるようになります!
この機能によって、同じフレーズ、ニュアンスのループを先に作り
「この時ここのエフェクトが別のこっちだったら音はどう変わるかな」という実験を何度も録音しなおすことなく気軽に試すことができます。
この機能が天才。
音作りをする際に大いに役立ちます。
④内容に対して安い、コスパが良い
前述したように素晴らしいところがたくさんあるので、
「でも・・・お高いんでしょう??」と逃げ腰になってしまうところですが、
A1 FOUR メーカー希望小売価格 ¥14,000 (税抜き)
A1X FOUR メーカー希望小売価格¥16,000 (税抜き)
セールではなくこの価格です。価格設定間違ってるんじゃないかな・・・。
この価格と性能に驚いて発売後に勢いのまま飛びつきました。
コンパクトエフェクターで同じくらいのエフェクトタイプを揃えようとしたら
余裕でウン十万は越えてしまいます。
ペダルがついているかどうかで2,000円の差があります。
ワウペダルやボリュームペダルなどペダルエフェクトも使ってみたいなら迷わず後者です。
⑤今後もアップデートされていく可能性が大いにある
今どきのエフェクターの強みとして、USBでPC接続をすることができます。
公式ウェブサイトからZOOM製品の作成プリセットの管理・編集やエフェクトの追加・入れ替えなどができる「Guitar Lab 」というアプリが無料ダウンロードできるので、
今後インターネットを通じて最新に追加されたエフェクトや本体のアップデートなどをして機能拡張をしていくことができます。
別の最新機種エフェクターに搭載されたのエフェクトなんかも追加されたりするので
長年の使用を想定されているのでしょうね。
★まとめ
以上が僕が使っていて感じたことを踏まえての紹介でした。
プリアンプ兼マルチエフェクターということでアコースティック楽器の方ならば持っておいて損はない機種だと思います。
狭きジャズバイオリニスト界隈でも非常に人気があるようです。
逆に、もうガンガンに歪ませたかったりメロスピばりなサウンドを作りたいなら
別のエレキ楽器向けエフェクターのほうがいいと思います。
これ一台でも音作りの幅が広すぎて、いじくってるうちに一日過ぎてしまうこともしばしば・・・笑
ライブで使用するときには事前にいくつかプリセットをしっかり組んでおくタイプの機種ですね。
もちろん初期プリセットの完成度も高いのでそのまま使用することも大いにありです。
(2019.12.08 追記)
自身のYouTubeチャンネルにてZOOM A1 X FOURをバイオリンで使用した動画を投稿しています。
よろしければ合わせてご覧いただくとより具体的に各エフェクトの特徴が理解しやすいかもしれません。
https://www.youtube.com/channel/UCrDvRbZLU5M_CQgTpc6Fjuw/
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメントをお書きください
リュウソウホワイト (金曜日, 06 12月 2019 18:40)
重量70gと電池2本で駆動可能と書かれていますが、それはマイクアダプターMAA-1の仕様ですね。A1 FOURは重量340g、電池4本が必要ですよ (^_^;)
佐治拓人 (土曜日, 07 12月 2019 12:43)
丁寧なご指摘ありがとうございます!
ご指摘の通りでしたので修正させていただきます。
坂口勇 (土曜日, 27 11月 2021 17:18)
EWI SOloを使っているのですがA1Xと直接フォンーフォンケーブルで接続してもよろしいですか
佐治拓人 (日曜日, 28 11月 2021 23:00)
EWI soloの仕様を確認しましたが問題ないと思います。
A1Xへ送る際のEWIの音量が大きすぎるとそこで音割れしてしまうのでご注意ください。